今年の目標は「積読の消化」。我が家の本棚を占有している本をバシバシ読んでいく。
とりあえず手にとったのは、2年前に1章だけ読んで放置してしまっていた「アフターデジタル」。
当時、流通関係のお偉いさん達が、講演なんかでこぞって挙げており、だいぶ流行ってました。
「アフターデジタル2」という続編も出たようなので、ちょっと気になります。
猫も杓子も「DX」と叫んでいて、よく分からないおじさん達が頻繁にセミナーを開いていますが、この本を読んだ方がよっぽど理解できる気もします。
内容は、下記のとおり4章構成。
中国の事例を参照しながら、「アフターデジタルとは?」という説明が1~3章。最後の4章で、「日本はどうするべきか」という流れ。
- 第1章 知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質
- 第2章 アフターデジタル時代のOMO型ビジネス~必要な視点転換~
- 第3章 アフターデジタル事例による思考訓練
- 第4章 アフターデジタルを見据えた日本式ビジネス変革
ざっくり言うと、リアルとデジタルの境界がなくなるという話で、OMO(online merges with offline)とか、「ニューリテール」なんて概念とほぼ同義ですかね。
リアル店舗でもネットでも、消費者はその時便利な方を使うだけで、ネット・リアルと切り分けること自体できないという考え。ネット・リアル問わず顧客データが大量に集まれば、モノづくりも、プロダクト指向ではだめで顧客視点での開発が求められてくる。
私が社会人なりたての2016年あたりでは、O2O(online to offline)や、「モノからことへ」なんてキーワードが流行っていた気がしますが、もはやそれらの考え方も古く感じる。とても変化が早く、ネット技術・データサイエンス・IoTが一気に社会に浸透していった感があります。
フーマー生鮮やラッキンコーヒー等の事例は、2年前に中国に視察に行った際に見ましたが、まさにOMOでした。日本でなかなかこういった事例が出てこないのは、この本で記載されているように、未だに「ビフォーデジタル」の考え方から抜け切れていないということなのかもしれない。
地方の百貨店の閉店ニュースなんかは度々目にしますが、他にもデジタル化についていけない企業は徐々に衰退していて、それをどうにかするには、顧客データが取れる決済プラットフォーマーと、行動データの利活用にかかっているということでしょうか。
あと、デジタル化によって中国人のマナーが良くなっているという点は面白かった。
最近はまって読んでいた漫画「キングダム」では、「法律によって戦争をなくし社会を変える」と政が語る感動的なシーンがありましたが、現代ではデータビジネスによって社会が変わっているということですね。中国すごい。
5段階のUXの話等、よく理解できない箇所もところどころあるものの、我々の日常生活に直結する話なので、誰が読んでも面白いのかと思いました。