マクロ経済かじり虫(part1)

どうも、浜男です。

今ではほとんど忘れましたが、私は学生時代に経済学をかじっていました。

当時の私は、経済学の学問としての不完全さに嫌気が差していたのですが、社会人になって、それ以上に不完全なモノに囲まれる中で、少し学びなおしてみたい気持ちになりました(ちょっと暇だった)。

昔は、こういうものは大学ノートにまとめていましたが、大体何年かするとノートが消えていたり、読み返さなくなるんですよね。ブログに書くことで、見返しやすいし良いかもしれない!

かなり前にブックオフで買ったマンキュー(第2版:2003年発刊)が手元にあったので、参考にしながらつらつら書いていきます。ちなみに、amazonで100円(中古)で売ってました笑

マクロ経済学とは

マクロ経済学は、「科学的に国の経済全体の仕組みを説明しようとする学問」といわれます。
理学、工学などと比べると、現実から乖離した点が多く発展途上な学問ですが。

その名のとおり、政策の影響など、国全体の経済について考えるので、
一個人にはあまり関係ないように思われますが、経済状況はすべての人に影響を与えるので、私たちの生活に大きく関係していますよね。

何が不完全なのかというと、経済学者は科学的に理解するために、モデル(数式)を用いて経済を説明します。需要-供給モデルなんかは高校生くらいで聞きますよね。ただ、これらのモデルには様々な仮定が用いられていて、現実性を欠いていることが多いです。

マンキューも、”すべての目的に役立つただ一つの「正しいモデル」というのは存在しない”と述べていますが、目的に応じてモデルを使い分けることが重要です。

モデルによって、分析結果が大きく変わってしまうことがある分野ですが、そのモデルを使う正当性・根拠は明確ではなく、結論ありきの選択になっていることもありますので注意ですね。

マクロ経済学は、古典派(長期分析)と、ケインジアン(短期分析)の2種類に分かれます。これは価格調整の違いで、長期分析は、賃金や価格がすぐ変化するものとしてモデル内で扱います。一方、短期分析では、それらは硬直的で変化しないものとして扱います。

これも現実的かどうかはなんとも言えないですが、そういう仮定で考えるということですね。

よく使われるデータ

エコノミストは色々なデータを扱って、経済を説明しようとします。
最も頻繁に使われるのが、国内総生産(GDP)、消費者物価指数(CPI)、失業率です(マンキューによるとそうらしい)。

国内総生産(GDP)

小学生でも知ってる言葉ですが、経済のパフォーマンスの尺度として非常に重要ですね。

文字どおり、国内で生産された財・サービスの総額という指標です。

付加価値の総額なので、中古品の販売は含まれなかったりと色々算出のルールはありますが、この算出方法が適切なのかは、学者の間でも議論されている点のようです。シェアリングエコノミーの時代、新しくモノを生産するばかりでもないですしね。

あと、政府が把握できない裏社会の経済状況(脱税など)は当然データに含まれないですね。
そういった意味でも、完全な尺度ではないですし、国際比較なども実際は難しいものです。

ちなみに、GDPには、名目GDP、実質GDPと2つあります。
名目GDPは、その時その時の市場価格に生産数量をかけて算出される指標なので、物価の変動に左右されて値がぶれてしまいます。物価の変動による影響を取り除くめに、ある基準年の市場価格に固定して、その時その時の生産数量をかけて算出される指標が、実質GDPです。

また、GDPは下記のように4つの項目に分解できます。

GDP=C(消費)+I(投資)+政府購入(G)+純輸出(NX)

・消費:私たちが普段の生活でモノを買ったり、美容院に行ったりして使うお金です
・投資:企業や家計による新しい住宅や工場などの購入を指します
・政府購入:その名のとおり政府が財・サービスをいくら購入しましたかということ
・純輸出:諸外国への輸出から輸入を差し引いた値です。諸外国が日本に、プラマイいくら支払っているのということ

消費者物価指数(CPI:Consumer price index)

その名のとおり、全国の一般消費者が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するものです。

世の中には様々な財・サービスがあり、価格も様々ですが、CPIはそれらを集約して1つの値に落とし込みます。GDPと同じですが、情報の集約という意味で、非常に利便性が高いですよね。

ちなみに日本では、総務省から毎月公表されています(こちら)。2015年を基準とした、585品目の財・サービスの値動きをウェイト付けして算出されています。
「消費者物価指数の作り方」で分かりやすく説明されています

実際は、下記のような式で計算されます。いわゆる、ラスパイレス式という計算方法です。

(p:価格、q:生産量)

なお、消費者によって購入された財・サービスのみを対象とするので、
企業や政府によって購入されたモノは含まれない点などが、GDPと違うので注意です。

失業率

これも名前通りの指標です。こちらも総務省から毎月公表されています(こちら)。

2020/12/1公表の統計を見てみると、メディアの報道通り、非正規労働者が減少していますよね。正規の労働者は増加傾向にあります。

あと、定義を押さえておくことは、単純な指標だけに大事ですね。

定義は、働きたい人々のうち、職に就いていない人々の比率です。
学生や年金生活者、職探しをしていない人などは分母に含まれないので注意ですね。

ちなみに、失業率が上がれば、実質GDPが下がる関係性を、オークンの法則と呼ぶようです(発見した人の名前)。

インフレとデフレ

インフレーションとは、一般物価水準が上昇している状態で、デフレ―ションは減少している状態を指します。

一般的に、物価水準としては、上記で触れたCPIが利用されますね。また、CPIの中でも、値動きの激しいものなどを除いた下記のような指標があります。

コアCPI(CPIから、天候等で値動きの大きい生鮮食品を除いた指標)
コアコアCPI(CPIから、天候や市況など外的要因に左右されやすい食料(酒類を除く)とエネルギーを除いた指標)

2013年に日銀の2%インフレ率目標が掲げられましたが、この目標にはコアCPIが採用されています。消費者の実態を見るためには、ホントはコアコアCPIが良いのではとか、そんな議論もあるうようですね。

ちなみに、日本だけではなく先進国のインフレ率目標はどこも大体2%前後のようです。しかも諸外国は、日本よりも大分前にこの目標を設定していたとか(こちらを参照)。

なお、2013年以前の10年近く、日本はデフレの時代でしたが、この2%を目標を早く設定しておけば解決できたのではとと日銀の黒田総裁は言っていたようです(講演録に書いてありました)。

でも、なぜ2%なのか。
そもそもインフレになると何がうれしいのかはよく分かりません。

消費者としては、物の価格が高くなるのは好ましくないですよね。
そういえば私が小学生のころ、マックのハンバーガーは60円くらいでした。

2%目標の理由として、日銀の黒田総裁は、「CPI自体の上方バイアス」、「金利引き下げ余地の確保」、「グローバルスタンダード」いう点を挙げてました(これも講演録に書いてあった)。インフレを目標としている訳ではなく、「物価の安定」を目標にしているという書き方でした。

「CPI自体の上方バイアス」については、CPI自体が指標の性質上、実態よりも値が大きくバイアスが出るという特徴があります。

「金利引き下げ余地の確保」については、下記のようなことらしいです。金融緩和できる余裕を持っておこうねという話。

”景気に対して中立的な金利水準は、経済が持つ潜在的な成長力と、平均的な物価上昇率の合計によって決まります。中立的な金利水準が低いと、金利はゼロ%に到達しやすくなります。金利がゼロ%近傍に到達し、それ以上、金利操作による金融緩和余地がなくなる状況を、「ゼロ金利制約」といいます。”

「グローバルスタンダード」については、他国とお足並みをそろえることで、為替レートの安定に繋がってきます。

金融分野はよく分からないのですが、為替が安定して円安傾向になると日本には輸出企業が多いので、企業業績が良くなり、所得も上がる、景気が良くなる、と、そんな感じらしいです。いまいちピンときてませんが、こちらの記事でまとめられていました。

2%に理論的な根拠はないようですが、右にならえをすることは、日本人の私としては至極まっとうな行動に思えました(勉強不足)。

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