【レビュー】「夜のピクニック」(はまログ評価4.0)

久しぶりに本を読みました。

学生の頃は、月2、3冊読んでいたものですが、この頃はめっきり減りましたね。

社会人になり時間も無くなり、youtubeなど他の娯楽も増えたのが原因でしょうか。

久々に読書!ということで選んだのが、恩田陸さんの「夜のピクニック」。

私が中学生のころに流行った作品ですね。

表紙がとても素敵で、当時付き合っていた彼女にプレゼントしたのを思い出します。

何の因果か、先日会社を辞めた際に、先輩からこの本をプレゼントされました。

曰く、「お気に入りの本だから」とのこと。

15年前の作品をカッコつけてプレゼントしてくる先輩に、「私この本持ってます」とはとても言えず。

我が家には今、「夜のピクニック」が2冊もあります。

これも何かの縁かと思い、当時の記憶を思い出しつつ、この本を手に取りました。

あらすじと感想

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

「THE青春小説」という感じで、非常にさわやかな読後感でした。

修学旅行で友達と普段しない話をしたり、部活でしんどい時間を一緒にした友達と仲良くなったり、誰にも言えない秘密があったり。

そんな諸々で悩んだり、一喜一憂する、学生時代特有の感覚について、登場人物を通して思い返しました。

もう10年以上前ですが、学生の頃は今よりも、すべての物事に対して感動は大きかった気がします。

既知のこと、経験が増えるごとに、心が動く機会って減っていきますよね。よくも悪くも。

ドラえもんで、「ムードもりあげ楽団登場!」という話があるのですが、

何に対してもつまらなそうな顔をしているのび太に、ドラえもんが言います。

「人間はね、感情の動物といわれてるんだ。うれしいときはとびあがって喜び、悲しければワアワアなく。もっと気持ちをいきいきとあらわせよ。」

会社では、感情的な人に悩まされることもありますが、実はそれが正しい姿なのかもしれない。

達観しようとせずに、学生の頃の気持ちを思い返して、日々新鮮な気持ちでいたいと思います。

そういう意味では、30歳になり、おじさん化してきているタイミングで読んでよかった。

全おじさんにおすすめです。

はまログ評価4.0

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